あの日、あの時、あの場から~人生は出逢いで決まる②~ 

つり革が切れる!?

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今から45年ほども前の3月のこと。

当時の私は15歳。志望していた高等学校の入試に無事に合格。

その喜びを噛みしめながら、幼いころから夏休みのたびごとに遊びに行き、自分にとっては第2の故郷と言っても過言ではない群馬県藤岡市内にある母方の親戚の家に、単身向かいました。

もちろん、お小遣いをもらえるだろうということも期待しつつ…。

そしてアクシデントはその往路の終盤で起こりました。

 

高崎線の新町駅で降り、改札を出ると、乗る予定のバスが今まさに発車しようとしていたので、慌てて飛び乗りました。

料金を払ってからバスの中を見渡すと、ほとんどの座席は埋まっていましたが、後部に2つほど席が空いていたので、そこに座ろうと歩き出すと、ちょうど私と同じようにバスに乗ろうと一生懸命早足でバスに向かってくる老夫婦がいらしたので、「あの人たちが座ればいいや」と思い、私はそのままバスの中央の出入口付近に立っていました。

老夫婦が無事に座席につき、バスが出発すると同時に、今度はバスの前方に目をやると、もう1つだけ空席があったので、では、そこに座ろうと思い、踵を返し、今まで握っていたつり革を離して、次のつり革を右手でつかんだと同時に、バスが駅前のロータリーのカーブを回ろうとハンドルを大きく右に切った直後、「ビシッ!」。

 

一瞬、何が起きたのかわかりませんでした。

次の瞬間に、自分の身体がバスの中で横たわり、左手には自分のボストンバッグ、そして右手には、なんと革の部分から切れたつり革の輪っかを、しっかりと握りしめている自分に気づきました。

それでも、朦朧としている頭では、それ以上の状況把握はできなかったのですが、間もなく周りの乗客たちが、「運転手さん、大変だ。頭から血が出てる!」と叫ぶ声が聞こえました。

と同時に、私は何人かの人たちに助け起こされ、空けてくれた座席に着かせてもらいました。

そしてバスもようやく止まり・・・。

そうです、何か間の抜けた話ですが、運転手さんは私が、今でいう車内人身事故に遭ったことをしばらく把握できずに、バスを走らせていたのです。

その後、とにかく病院に運ばなければ、ということで救急車を呼ぶのかと思いきや、これも後から考えると、いかにも妙なのですが、何を考えたのか、運転手さんは他の乗客にそこで降りてもらい、私一人を乗せたまま、バスで近くの診療所に急行する、という事態となりました。

きっと、滅多にないことで、運転手さんも動転していたのだと想像します。

確かに私の頭から首にかけて、一筋の血が流れてはいたのですが・・・。

つづく

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