シンガポール事情:兵役編その3

 

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Pulau tekong島はシンガポールの北東部に位置する島であり、

今はシンガポール軍の基地となっていて、

新兵が基本的な軍事訓練を行う場所でもあります。

島には軍隊の人達と、一部の許可された市民の人だけが入ることができます。

 

Pulau tekong島が軍隊の島になる前の1,980年代までは、

島には5000人もの人が住んでいたそうです。

当時のPulau tekong島は野生動物が棲んでいたり、

フルーツ(シンガポールではドリアンやランブータンが有名)が

たくさんある島だったのです。

しかし、軍隊の島となってからは、すべてが変わってしまったとのことです。

 

さて、Pulau tekong島に到着すると、私たち新兵は広い道場に集められました。

怖そうな目つきをした兵士がたくさん周りにいて、私は恐怖を感じました。

その時の私は「この島で訓練しないといけないのか」と思い、

これからの島での生活が不安でいっぱいになりました。

 

間もなく、背が高くガッチリしたインド系の兵士が、

島での滞在期間や訓練スケジュールを読み上げました。

その話を聞いて、初めて自分が身体検査の結果で、

4か月のトレーニングコースに振り分けられたことを知ったのです。

その他のコースとして、2か月と6か月のコースがある、

ということもその時に知りました。

 

実は、徴兵される前に、体力テストを受けることもできたらしいのですが、

自分は遊ぶのに夢中で受けなかったのです。

そのテストでいい点を取っていれば、2ヵ月コースだったらしいのですが、

仮に受けたとしても、合格規準が厳しく、私は受からなかったと思います。

 

Pulau tekong島でのBMT(basic military training 基礎訓練)は、

2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月と3つのコースに分かれていて、

私は、背は高く、太ってはいないので、4ヶ月コースに入れられたのです。

 

BMT(basic military training 基礎訓練)は、筋トレと体力補強プログラムと

射撃練習、野外演習のプログラムに分かれています。

 

前半の筋トレと体力補強プログラムが終わると、例の体力テストが待っています。

テストに合格すれば、そのまま射撃練習と野外演習のプログラムに

移ることができますが、テストに落ちてしまうと、

もう一度、筋トレと体力補強のプログラムを受けなければいけない、

と言われました。

 

その体力テストというのは、IPPT(individual physical proficiency test) と言われ、

100点満点中で65点を取れば合格するそうです。

内容は、腹筋、腕立て伏せを1分間にそれぞれ40回以上!

ランニングは2.4kmを11分で走れれば、65点を超えるので試験に合格します。

 

たった3種目ですが、その時の私は、体力に自信がなかったので、

2か月間でほんとに合格できるのか・・・。

 

私は頭が真っ白、顔は真っ青になりました・・・。

                                                                         (つづく)