シンガポール事情:兵役編その1

皆さんこんにちは、エコル湘南のアキヒロです。

 

今回から何回かに分けて、私がシンガポールにいた時の兵役体験について

ご紹介したいと思います。

 

日本では徴兵制度がないので、きっと、こんな国もあるんだと驚かれると思います。

また、皆さんの「観光立国シンガポール」という国に対して抱いていたイメージも、

ちょっと変わるかもしれません。

 

シンガポールの徴兵制度は1967年に導入されました。

シンガポール男性は18歳になると徴兵され、

2年間の軍事訓練を受けなければなりません。

 

シンガポール国民はもちろん、二重国籍や永住権を持っている外国籍の親の子供も

兵役に行かなければなりません。

私の父親は日本人で、母親がシンガポール人なので、私は二重国籍でした。

したがって、当然のように徴兵されました。

 

シンガポール政府は、徴兵制度を重要視していて、

兵役を拒否して、逃走したり、逃亡したりする人には重い刑が待っています。

そういう人には、重い場合は3年間の刑務所暮らしと

5,000SGD (シンガポールドル 日本円で約40万円)の罰金が科されます。

 

国営メディアのニュースにはならないのですが、毎年約350人の人が逃げています。

そのうち約3分の1の逃走者が捕まっているようです。

 

政府は逃走防止のため、逃走者の住んでいる場所(海外を含む)に郵便を送っています。

または親の家を訪問したりしてチェックをしています。

なので、結局は素直に徴兵に従い、2年間の訓練を終えた方が身のためなのです。

 

徴兵制度が導入された理由は、もちろん国を守るためなのですが、

そのほかにも得られるものはあります。

その2年間で、若者が強いパーソナリティやリーダーシップを

身につけることもできるのです。

 

兵役期間を通して、同世代の人達と一緒に過ごし、

文化の違い(中国、インド、マレー、その他)を知ったり、

強いつながりや絆が生まれたりするのです。

 

シンガポールでは、徴兵されると、

軍隊、警察隊、防衛隊(消防、救急など)のどこか配属されます。

しかし、誰がどこに行くかは徴兵されるまでわかりませんし、

もちろん希望も出すことはできません。

 

 

そして、2015年12月のある日、国から私に一通の通知が送られてきました・・・。

 

                              (つづく)