創作読物 1「寝た子が起きて来た!?」
こんにちは。エコル湘南の伊藤昭彦です。
しばらくブログを書くのをお休みしていましたが、また書きはじめたいと思います。
今回は、エコル湘南にいらしたお客様とのやり取りを、創作読物としてお送りします。
創作ですので、内容はあくまでもフィクション、作り話です。
それではお楽しみください!
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「いらっしゃいませ。
飯塚さん、さあどうぞスリッパに履き替えて、こちらにお座りください。」
「はい、ありがとうございます。目の前でバスが行ってしまって…。
ちょっと遅刻ですね、すみません。」
「いえいえ大丈夫ですよ。あいにくの雨でしたね。さ、そちらにお掛けください。」
「あ、はい、では失礼して。だんだん強く降ってきちゃって…。」
「そうですね。ご自宅からはどのくらいかかりましたか?」
「スムーズに来れば、1時間かからないぐらいなんですけど…。」
「そうですか…。 さて、ところでお身体の具合はどうでしょう?
初めて施術を受けられてから、ちょうど10日経ったと思いますが…。」
「ええ、そうですね。この前やっていただいて、翌日はなんだか全身がけだるい感じが
あったんですけど、それからは逆に身体が軽く感じられて…。
お蔭様で肝心な左膝の痛みもあまり出なくて、歩きやすくなった気がして…。
ミオンパシーって、なんか不思議ですね。(笑)」
「皆さん、そうおっしゃいますよ(笑)。
でも、不思議でもなんでもなくて、このあいだご説明したとおり、
いろんな理由で疲れて固くなってしまった筋肉、
これを私たちは筋肉がロックした状態と呼んでいるのですが、
その筋肉をもんだり叩いたりして余計いじめるのではなくて、
むしろ筋肉が喜ぶようにやさしく緩めてあげるというものなので、
このミオンパシーという施術は、 筋肉を本来の姿に戻す手法なんですよね。」
「はい、でも先日は初めてだったので、正直ご説明を聞いても、へぇーというか、
半信半疑というか…、
あ、ごめんなさいね(笑)。」
「いえいえ、結構ですよ。この療法は世間で行われているものとは、
やり方が真逆というか…、世間の常識から言えば、非常識というか…、
いや…、むしろ、我々ミオンパシーを行う者は、
世間で広くやられているもののほうが、非常識だと思ってるんですけどね(笑)。」
「そうかもしれませんね…。では、常識に対抗してらっしゃるんですね?(笑)。」
「そうですね。常識への挑戦!カッコ良く聞こえるでしょう?(笑)。」
「はい、確かに(笑)。」
「ほんとにそう思ってます?(笑)。
では、お身体のご様子は施術しながら詳しく伺いますので、
あちらの部屋でお着換えください。ご案内します。」
「はい、ありがとうございます。」
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「よろしいですか?」
「はい、お願いします。」
「では、失礼します。
さて、今日特に気になるところはどこですか?」
「そうですね、まだやはり膝は気にはなりますね。」
「左の膝周りですね?」
「あ、はい…。それから、どういうわけか、右足のほうも痛いというんではないんですが、
なんかちょっと重い感じがして…、ちょっと気になります。
施術を受ける前には感じなかったんですが…。」
「施術を受けて、かえって悪くなったんじゃないかって、不安になりましたか?(笑)。」
「あ、いえ、そんなこともないんですが、ちょっと気になって…。
右足も悪かったのかなぁ…、なんて…。」
「飯塚さんは、利き足は右じゃないですか?」
「はい、そうです。」
「なるほど。前回の施術では、私は全身をチェックして、広く浅く、
全体的に施術を行ったんですけど、
もちろん、その後に両足も丁寧に施術しましたよね?」
「あ、はい。直接膝はされなかったので、あれ?膝が痛いのに、膝はやらないのかな?と、
ちょっと不思議に思いました。」
「そうでしたね。
その時にも、ちょっとお話したかと思うんですけど、
私たちミオンパシーを行う者は、あ、勝手にミオンパスとか呼んでますけど(笑)、
例えば、肩が凝るとか、腰が痛いとか、いろいろな症状でお客様がいらっしゃるんですけど、
ミオンパスはそういう時に、まず初めから肩とか腰とか、現に症状が出ている箇所を施術する
ということはあまりしないんですよ。
それら痛みのある箇所は、言わば結果であって、原因ではない、
原因はもっと他にある場合が多い。
なので、その結果的に症状として痛みがある場所を施術しても、
それはやればそれなりの効果は見込めますが、
何というか対症療法であって、結果をもたらす原因を探して、
そっちにアプローチして治さない限り、
また時間が経てば悪くなってしまう、という考えなんですよ。
飯塚さんの膝も同様なんです。」
「はあ、なるほど。」
「なので、前回も私は、左膝には直接の施術はしないで、
その代わりに膝の痛みの原因と思われる太ももの表と裏、
そして、ふくらはぎの筋肉をかなり丁寧に緩めましたよね?両足とも。」
「はい、そうでしたね。」
「筋肉の名前で言うと、太ももの表が大腿直筋、裏がハムストリング、
ふくらはぎが腓腹筋、ヒラメ筋、て言うんですけど…。」
「あ、ヒラメ筋て、聞いたことあります。なんか湿布の宣伝かなんかでやってましたね(笑)。」
「そうそう、あれです(笑)。ヒラメのようにふくらはぎにベタっと張り付いてる筋肉です。
でも、前回の施術の結果、飯塚さんの左膝の痛みは、少し良くなったでしょう?」
「はい、確かに…。でも、なんで今度は右足がだるくなったんですか?」
「ええ、まだこれは仮説として聞いてほしいんですけど、飯塚さんの左膝の痛みの
原因の一つは、おそらく左足以上に右足の筋肉のロックが関係してるんではないかな、と。」
「え?そうなんですか?」
「あ、はい、飯塚さんは利き足が右なので、左足より右足の筋肉のほうが強いんですね。
なので、両足に同じ負荷や負担がかかっても、右足の筋肉はそれに耐えられるんだけど、
弱いほうの左足が先に悲鳴を上げてしまい、痛みという症状が出て来てしまった…。
まあ、仮説ですけどね。」
「なるほど、そういうことだったんですか。」
「はい、それが証拠に、前回の施術後に左足以上に、右足がだるくなってきた。」
「それは、余計に悪くなったということですか?」
「いえいえ、むしろ、いい意味で寝た子が起きて来たんですよ。」
つづく
この続きは、こちらから。
神奈川県立逗子高等学校教諭を経て、1995年度から神奈川県教育委員会生涯学習課にて、社会教育主事として地域との協働による学校づくり推進事業に携わる。
その後、神奈川県立総合教育センター指導主事、横浜清陵総合高校教頭・副校長を経て、2008年度から高校教育課定時制単独校開設準備担当専任主幹。
2009年11月、昼間定時制高校の神奈川県立相模向陽館高等学校を、初代校長としてゼロから立ち上げ、生徒に良好な人間関係構築力とセルフ・コントロール力育成をコンセプトとして学校経営に当たる。
2012年4月から神奈川県立総合教育センター事業部長を経て、2014年3月に神奈川県を早期退職後、学校法人帝京平成大学現代ライフ学部児童学科准教授として、教員養成に携わる。
2018年3月に大学を早期退職し、同年4月に、大学勤務の傍ら身につけた新手技療法「ミオンパシー」による施術所:「いぎあ☆すてーしょん エコル湘南」を神奈川県茅ケ崎市にオープンし、オーナー兼プレイングマネージャーとして現在に至る。
(社)シニアライフサポート協会認定 上級シニアライフカウンセラー。
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