創作読物95「今日は、飲みたい気分というか」

 

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

前回は、こちらから

 

「はい、陽香さん、こんにちは。」

「こんにちは。」

「ちょうど4時。

 時間どおりだね(笑)。」

「あ、はい。

 家は早く出たんですけど…、

 ちょっと時間調整してから来ました。」

「そうなんだ。

 まあ、どうぞお入りください(笑)。」

「はい。

 じゃあ、失礼します。」

「えっと、

 陽香さんはコーヒー飲む?」

「あ、

 これ、お土産です。」

「え?何?」

「おいしいケーキ屋さんがあるんで…。

 先生が甘い物好きかどうかはわからなかったんですけど・・・、

 私が食べたかったんで…(笑)。」

「へー。

 気が利くねぇ(笑)。

 ありがとう。じゃあ、早速いただこうかな?」

「はい、どうぞどうぞ。

 で、私もいいですか?食べて。」

「ああ、もちろん。

 じゃあ、紅茶のほうがいいのかな?」

「いえ。

 コーヒーで。

 私、普段は、コーヒーはあまり飲まないんですが…、

 今日は、飲みたい気分というか(笑)。」

「なんか、お酒飲みたいような口ぶりだね(笑)。

「ああ、そうですね(笑)。

 ただ、あまり苦いのは苦手なので…、

 ミルクとか入れてもらっていいですか?」

「あ、はい、OKだよ。

 じゃ、ちょっと、待ってて。」

「はい。」

 

「はい。

 お待ちどうさま。」

「ありがとうございます。いただきます。」

「どう?

 口に合うかな?」

「うーん。

 普段あまり飲まないんで…。

 でも、なんか、おいしいです(笑)。」

「あ、そう。

 なら、良かった。

 このコーヒーってのも、

 人によって、身体にいいと言う人も居れば、

 いや、悪いって人も居てね(笑)。」

「そうですかぁ…。

 でも、なんか、イメージとしては、身体に悪そうな感じですけどね(笑)。」

「そっか。

 でも、昔からの嗜好品だからねぇ。」

「嗜好品の嗜って、

 たしなむ、って読むんでしたっけ?」

「うん。

 よく知ってるね。

 陽香さんは、漢字の読み書きを嗜んでるのかな(笑)?」

「いえ(笑)、

 そんなこともないんですけど…。

 ただ、漢字って、なんか、面白いなぁって思って。」

「英語とかの表音文字と違って、

 漢字は、表意文字だから、

 意味までが分かるからね。」

「そうですね。

 嗜好品の嗜も好も、好むってことだから、

 よっぽど好きな品ってことですよね(笑)。」

「ああ、そうだね(笑)。

 だから、コーヒーも、カフェイン中毒になっちゃう人もいるもんね。」

「なるほどぉ。」

「でも、コーヒーの歴史も、

 文字どおりブラックなんだよね。」

「え?

 そうなんですか?」

「うん。

 今度、調べてみたら?」

「わかりました。」

「まあ、中毒になっちゃうって言うのも、

 結局は何事も、過ぎたるは猶及ばざるが如し、なんだけどね。」

「過ぎたるは…、ですかぁ…。」

「このケーキ、うまいね。」

「あ、でしょう?

 このスポンジがフワフワで、好きなんですよぉ。」

「ペロって、食べられちゃうね(笑)。」

「あ、

 一つじゃ、足りなかったですか?」

「いやいや、

 十分十分。

 ありがとう。おいしかった。ご馳走様でした。」

「先生。

 私ね、私が学校行かなくなったのは、

 友達にいじめられたから、ってことになってるんですけど…。」

「本当は、

 体罰に関係してるんじゃないの?」

「えっ?」

「やはり、当たりかな?」

「え?

 なんでわかるんですか?」

「う?

 まあ、何となく、と言うか…、

 今まで、陽香さんといろいろと話したからね。」

「でも…、

 それだけで、わかるんですかぁ?」

「いやあ、

 わかると言ったって、何となく、そうかなってレベルだけどね。」

「そうですかぁ。

 でも、それなら、ちょっと話しやすくなりました。」

「そう。

 なら、良かった(笑)。」

 

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