創作読物112「振る舞いは変えることができる」
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
前回は、こちらから。
「でも、
それでもやっぱり、偶然の出来事をただ待つのではなく、
偶然を意図的に生み出すように積極的に行動するっていうのは、
難しいというか、どうやったらいいのか、わからないですねぇ。」
「でも、
それって、そんなに難しく考えなくても…、
と言うか、考えちゃうと、逆に難しくなっちゃうんじゃないのかな。」
「え?
どういうことですか?」
「うん。
だって、自分や自分の身の周りで起こる出来事って、
それが偶然なんだか、必然なんだか、そんなことわかんないんだから、
結局は、その人の考え方次第ってことじゃない?」
「うーん。」
「たとえば…、
陽香さんと私が出会って、
ここでこうして話をするようになったのは、偶然?
それとも必然?」
「あぁ…。
そっかぁ。
自分で、偶然だと思えば、偶然だし、
必然だと思えば、必然になるってことですね!」
「そうそう。
結局は、自分がどう意味づけするかってことなんだと思うよ。」
「なるほどぉ。」
「クランボルツ教授はね、
たとえ偶然と思えるようなことでも、
これは偶然ではなく、必然なんだって解釈して、
むしろ、その出来事を自分の生き方に、より良く反映させよ、
と言ってるんじゃないかな。」
「そうやって、積極的に生きるってことが大切だと?」
「そうだね。
そういう姿勢の人は、
トラブルに遭遇しても、
前向きに、むしろ、トラブルを肥やしにして行けるんじゃない?」
「あぁ。
凄いことですね。」
「うん。
つまり、大切なことは、自分の身の回りに起こった出来事が、
たとえアンラッキーと思えることであっても、
あるいは、トラブルに巻き込まれてしまった、
と感じられるようなことだったとしても、
そのままネガティブにとらえるのではなく、
いかにポジティブに意味づけすることができるか否か、
ということが、とても大事ってことなんだろうね。」
「ポジティブに意味づけすることができるか…、ですかぁ…。」
「うん。
ネガティブに捉えれば、
どんどん落ち込んで行くだけだし、
おそらく、ついてないなぁと、自分の運命を嘆いたり、
それもこれも、誰々が悪いからだ、とか、
人のせいにしたりしてね…。」
「最悪ですねぇ、それは。」
「だよね。
でも、ポジティブに考えられれば…。」
「立ち向かって行ける…?」
「心持ちが違ってくるよね。」
「ええ。
ほんとに。」
「さらに、
クランボルツ教授はね、
偶然を味方につけるためのコツを教えてくれてるんだよ。」
「え?
何ですか?それは。」
「うん。
5つあってね…、
これも、ググると…、
1 好奇心:いろいろなことに興味・関心をもつこと
2 持続性:たとえ失敗しても簡単に諦めないこと
3 楽観性:たとえ結果が悪くても、必ず次に繋がると考えること
4 柔軟性:状況が変わっても、考え方と行動を変えて対応すること
5 冒険心:たとえリスクがあっても、敢えて前向きにチャレンジすること
どう?」
「うーん。
これって、コツと言うか…、
なんか、性格ですよね。」
「ああ、そうか(笑)。
そう言われれば、性格かもね。
でも…、持って生まれた性格ということ以上に、
どれほど意識できるか、意識するか、ってことなんじゃないかな。」
「うーん。
そうかもしれないですけど…、
生まれつき、弱気と言うか…、
マイナス思考の人間は、難しそうな…。」
「うん?
陽香さんは、自分のことを言ってるの?」
「ええ…、まあ…。」
「陽香さんは、全然マイナス思考じゃないと思うけど…。
でもね、仮にそうだとしても、
つまり、仮に、陽香さんの性格がマイナス思考だったとして…、
よく、性格は変えられない、変わらない、って言うでしょ?」
「ええ。」
「でもね、性格は変えられないかもしれないけど、
振る舞いは変えることができるでしょ?」
「振る舞いを変える?」
「そう。
性格はね、無意識のうちに出ちゃうものなんだろうけど、
振る舞いは、意識すれば、変えることができるでしょ。」
「…。」
「まだ、ピンと来ないかな?
クランボルツ教授の言う、5つのコツも、
結局は、それを意識しなさい、と言ってるんだと思うよ。」
「意識…、ですかぁ…。」
「うん。
性格って、内面的なもので、
振る舞いは、外面的なもの、という言い方もできるかな。
でも、自分の周りの人は、外面的なもので、
その人の性格を判断してるんだから、
振る舞いを変えていくことで、
結果的に性格も変わるってことは、あり得るんだろうね。」
「確かに、
自分の性格上は、こうなんだけど、
それをそのまま出しちゃうとまずいので、
取り繕うというか、
振る舞いを変えるってことは、ありますからね。」
「でしょ?」
この続きは、こちら。
神奈川県立逗子高等学校教諭を経て、1995年度から神奈川県教育委員会生涯学習課にて、社会教育主事として地域との協働による学校づくり推進事業に携わる。
その後、神奈川県立総合教育センター指導主事、横浜清陵総合高校教頭・副校長を経て、2008年度から高校教育課定時制単独校開設準備担当専任主幹。
2009年11月、昼間定時制高校の神奈川県立相模向陽館高等学校を、初代校長としてゼロから立ち上げ、生徒に良好な人間関係構築力とセルフ・コントロール力育成をコンセプトとして学校経営に当たる。
2012年4月から神奈川県立総合教育センター事業部長を経て、2014年3月に神奈川県を早期退職後、学校法人帝京平成大学現代ライフ学部児童学科准教授として、教員養成に携わる。
2018年3月に大学を早期退職し、同年4月に、大学勤務の傍ら身につけた新手技療法「ミオンパシー」による施術所:「いぎあ☆すてーしょん エコル湘南」を神奈川県茅ケ崎市にオープンし、オーナー兼プレイングマネージャーとして現在に至る。
(社)シニアライフサポート協会認定 上級シニアライフカウンセラー。
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