あの日、あの時、あの場から~人生は出逢いで決まる⑰~

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17、18、19と・・・

高校最後の学年の2学期の半ばから卒業するまでに、

今、思い出すだけでも、更に幾多の試練がありました・・・。

 

・不登校気味で授業に出ていなかったために、数学の期末試験で赤点を取り、

 追試で及第点を取らないと卒業できないと言われたこと

 

・12月に入ってから、ある病気に罹り、

 年末に2週間の入院・手術をせざるを得なくなったこと

 

・歳の瀬も押し迫ってから退院し、

 家族全員(当時は、祖父母と両親と4人兄弟の8人家族でした)で迎えた

 正月の3日に、祖父が突然トイレで倒れて、即入院したこと・・・

 

この他にも大小織り交ぜて、いろいろな苦難がありましたが、

これらの話題は、ここでは割愛させていただいて・・・

 

 

さて、3学期の授業は1月だけで、2月からは自由登校となったために、

それまで学校に足も気も向いていなかった私としては、

何かホッとして、安心して学校を休んだことを覚えています( ´艸`)。

 

むしろ、正月に脳梗塞で倒れて入院していた祖父が、

引き続き予断を許さない状況でしたので、

私が家にいることは、家族にとっても何かと都合も良かったのです。

 

一方、私にとってはちょっとした壁だった数学の追試も、

なんとかクリアすることができ、無事、卒業も決まりました。

しかし、本来であれば、おめでたいはずの高校卒業も、

私にとっては、味気ない乾いた言葉として響きました・・・。

 

新年を迎えれば、大学入試を控えた受験生であれば、

最後の追い上げの時期であるはずですが、

私は、とうにそうした受験戦線からは外れてしまっていたので、

来年に繋げるために体験しておく、という意味だけで、

2月に私立大学を一校だけ受験しました。

 

その大学の合格発表より先に、

3月1日に高校の卒業式がありました。

 

私は、卒業式に出たいという気持ちも湧かなかったのですが、

その時期はまだ、クラスメイトのそれぞれの合否結果も出ておらず、

引け目を感じる度合いも薄かったこともあり、

気乗りのしないまま、卒業証書をもらいに登校しました。

 

その当時の高校の卒業式は、今以上に素っ気なく、

何らの感慨や感動も覚えることはありませんでした。

 

その数日後、

受験勉強らしい勉強は、ほとんどしていなかった報いとして、

当然のごとく大学の不合格通知が送られて来て、

私にとっての初めての大学入試は、文字通り「記念受験」となり、

その時点で、いわゆる「1浪」が決まりました。

 

卒業後、3月末までには、クラスメイトの合否もほぼ決まり、

悲喜こもごもの当落の様を垣間見るにつけ、

同じ浪人の身となった者もいたわけですが、

「自分は、あの連中とはわけが違う」との思いを、

振り払うことが難しかったことを覚えています。

 

「彼らは準備をして臨んで、そして敗れたのだ。

しかし自分は、その準備すらできなくて・・・、

言わば、戦わずして敗れた不戦敗。敗れざるを得なかったのだ」

 

もしも、自分がまともな高3生活を送れていたら・・・

きっと、浪人することなく第1志望の大学に合格し、

そして4月からは、中学生の時から決めていた「教師」になるために、

好きな歴史を楽しく学び、そして遊びも、バイトも・・・

 

しかし、いくらそんなふうに思ってみても、

所詮は犬の遠吠え、負け惜しみ。

臍を嚙むこと以外、ありませんでした。

 

「自分はいったい何をやってんだ。

 自分にとって、高校時代って、結局何だったんだ!」

との思い、否、恨みから抜け出すことは、

その後、相当の年月を要することになります。

 

♬15、16、17と

 私の人生暗かった

 過去はどんなに暗くとも

 夢は夜ひらく

 

圭子の夢は、夜開いたようですが、

しかし私の場合は、2年ずれて、

♬17、18、19と

 私の人生暗かった

 過去の暗さに苛まれ

 夢はまだ見えぬ

 

♬前を見るよな余裕なく

 後ろばかりが気にかかり

 どぶに落ちては泣きを見た

 夢はまだ見えぬ

 

♬周りがすべて馬鹿に見え

 自分は馬鹿ではないけれど

 気が付きゃ馬鹿の繰り返し

 夢はまだ見えぬ

 

♬一から十まで嫌でした

 忘れたくなる事ばかり

 されど忘れることできず

 夢はまだ見えぬ 夢はまだ見えぬ

 

と、歌いたくなるような、

まさしく「失われた青春時代」、

いや、「奪われた青春時代」そのものでした。

 

そしてその後、遅ればせながら、

本当の意味で、私が「青春時代」を取り戻すのは、

大学卒業と同時に高校教員となった、24歳を迎えてからとなります。

 

しかし、それはまだまだ先の話。

その前に、まずは血みどろの浪人生活が控えていたのです・・・。

 

                       (つづく)