あの日、あの時、あの場から~人生は出逢いで決まる⑥~


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♬ グリーンスリーブズ

15の春に泣かされた私は、その後、どんな高校生活を送ったのでしょうか。

部活はやめても、元来、身体を動かすことの好きだった私は、晴れれば昼休み時間に校庭でソフトボールを、また、雨の日は体育館でバレーボールを、クラスメートと一緒にレクリエーションとして楽しんでいました。

学期に一回の球技大会では、野球やバレーボールを部活として毎日練習している連中に伍して、いつも準ヒーロー的な活躍をしていました。

また、演劇部が「校内の学芸音楽祭で、若草物語をミュージカル風に英語で上演したいのだけれど、男性部員が少なくて…」との助っ人依頼を、歌好きの私は軽い気持ちで、二つ返事で引き受け・・。

その英語劇では、恋人とのデート場面で、(シナリオにはなかったので、勝手に)ぶっつけ本番で、千人近くは観ている会場で、いきなりアカペラで朗々と歌を歌って、相方と会場中の観衆を驚かす、というような大胆なこともしてのけ・・・。

 

曲目は、イングランド民謡の「Greensleeves」。

Alas, my love, you do me wrong,  ああ、私の愛した人は何て残酷な人、

To cast me off discourteously.   私の愛を非情にも投げ捨ててしまった。

For I have loved you so long,    私は長い間あなたを愛していた、

Delighting in your company.    側にいるだけで幸せだった。

 

Greensleeves was all my joy     グリーンスリーヴスは私の喜びだった、

Greensleeves was my delight,     グリーンスリーヴスは私の楽しみだった、

Greensleeves was my heart of gold,  グリーンスリーヴスは私の魂だった、

And who but my lady greensleeves.  あなた以外に誰がいるだろうか。

 

これ、今見ると、失恋の恨み節であって、デート中に甘く歌う内容ではないですね(笑)。

当時は、そんな意味内容も意に介せず、単にメロディが気に入っていたので選んだのですが、翌日の休み時間には、上級生の女子生徒数人が廊下の窓越しに、私を品定めよろしく、ジロジロ見に訪れたり・・・(笑)。

大げさに言えば、さながら文武両面で青春時代をエンジョイしているかのような雰囲気でした。

あの日を迎えるまでは・・・。

(つづく)